皮膚科からお知らせ(令4年6月)掌蹠多汗症

掌蹠多汗症に対する水道水イオントフォレーシス療法を始めました

掌蹠多汗症は、幼少期ないし思春期の頃に発症し、手のひら足の裏に多量の汗をかく病気です。精神的緊張により汗をかき、重症例では時にしたたり落ちるほどの汗をかくこともあります。学校のプリントや仕事での書類などが汗でぬれたり、持っているものが汗で滑って落ちてしまう、汗が恥ずかしくて人と手をつなげないなど日常生活での支障があります。

塩化アルミニウムの塗布による治療もありますが、かぶれたり、塗っても汗で流れ落ちて効かない場合もあります。

水道水イオントフォレーシス療法は塩化アルミニウムと並んで有効な治療法です。

多汗部位を水道水に浸し、弱い電流を流すことにより、生じたイオンが汗腺に作用して発汗を抑制させるとされています。

週に1~数回の初期治療を行い、その後は週1回程度に間隔を伸ばして行います。(効果の持続時間は2~3か月です)保険診療の適応で、3割自己負担の場合、1回660円ほどで治療を受けることができます。

液化多汗症にはエクロックゲルによる外用療法のほか、ボトックス注射による治療を行っています。